たつみキッチンには、北海道各地から取り寄せているこだわりの食材が色々あります。
「こんな食材を使ってます!」だけでなく、”なぜ私がそれを使っているのか”という理由をご紹介したいと思います。
「オープン前に道内各地の生産者を訪問し、美味しいと思った食材を集めました!」とか、
「お休みの度に各地の生産者に赴き食材を集めました!」とか、
そんなバイタリティーは残念ながら私にはありません。
それでも色々な食材を使うことができるようになったのはまさに「縁」なんです。
人と人とのお付き合いを通じてオープン当初にはなかった食材達との”ご縁”が少しずつできていったのです。
「栗山町坂口ファーム」の
トマト、米粉、リゾット米
栗山町にある坂口ファーム。ご家族で主にお米を作られています。そのオーナーの坂口さんは、妻の”いとこのいとこ”のご主人なのです。妻のいとこにも飲食店を経営している方がいて、そこで坂口さんの野菜やお米を使っていたことから、「たつみさんでもどう?」と お話を頂いておつきあいが始まりました。
今は、ピッツァ生地に使う「米粉」、キッシュに使っている「大地の星」という「お米」を年間通して使わせていただいています。そして、坂口ファームといえば、なんといっても夏に届く、畑で完熟させた真っ赤な「トマト」です。もう、何年も夏の定番料理として、パスタソースや、カプレーゼに使っています。とにかく畑で完熟しているので真っ赤。そして甘くて美味しい。私も以前は道の駅や野菜直売所で販売している生産者直売のトマトを購入したことがありましたが、やはり坂口さんのトマトは一味違って美味しいのです。今は、このトマトでしか「完熟トマトのトマトソース」は作りません。
栗山町酒井農場の
新鮮卵
坂口ファームさんと同じ栗山町にある酒井農場さん。坂口さんとはご親戚だとか。こちらは、坂口さんを通じてお付き合いを始めました。卵は、たつみキッチンの料理には欠かせないもの。特に人気のカスタードプリンには欠かせません。そんな大事な卵、わざわざ栗山町から届けていただいてます。
安平町夢民舎の
チーズ
高倉健さんが愛したカマンベールチーズとして全国的にも有名な安平町の「夢民舎」さん。ここの社長の宮本さんの娘さんと妻が短大時代の同級生だったのです。「たつみキッチン」を始める時に、ピッツァも主力商品になるので、「美味しい道産チーズのピッツァを作りたい!」と思いお付き合いを始めることにしました。
当初は、「カマンベールチーズ」だけでしたが、その後「ブルーチーズ」も使い始めました。イタリアのゴルゴンゾーラチーズだったものを、マイルドな塩気が気に入って変更しました。また時々、「クリームチーズ」も使わせていただいています。たつみキッチンのピッツァには欠かせないチーズです。
新冠町みいやん農園の
野菜たち
新冠町にあるみいやん農園。「みいやん」というのはこの農園の若き女性オーナーの佐々木碧(ささきみどり)さんの愛称からきています。主にアスパラガスとピーマンを作っている農家さんです。この佐々木さんとは、妻の友人が新冠町の役場の広報にいて、そのご縁でお付き合いが始まりました。春にはグリーンアスパラ、6月頃にはカリフラワーを送って頂いてます。
また、7月頃から10月頃の間、定期的におまかせで野菜を送っていただいています。ピーマンや、パプリカ、じゃが芋、ナス、なんばん、ししとう、などなど本当にバラエティーに富んでいます。それをどう調理してお客様に提供するか?毎回試行錯誤しています。年を経るごとに、「この野菜はこういう前菜にしよう」とか「こう使おう」というアイデアが蓄積されてきています。定番料理ばかりになりがちなたつみキッチンの料理に変化と刺激を与えてくれる素敵な野菜たちです。
名寄市斎藤農場の
とうきび、かぼちゃ
名寄市の齋藤農場さん。こちらは、リアルではなくインターネットを通じて知り合いお付き合いさせていただいます。イタリアンレストランTATSUMI、たつみキッチンの料理の中で、最も苦労した(今もしている)のが、「ポタージュスープ」の材料となる野菜の調達です。色々な種類の野菜、そしてあちこちの産地の野菜を使ってポタージュスープを作りました。当たり前のことですが、野菜が美味しくなくては良いスープはできません。また、その野菜の仕入価格もとても重要です。そして、お客様が魅力を感じて、飲んで美味しいと思っていただけるものでないと売れません。
今現在、味、お客様の好みの両方を満足させてくれる野菜は、「かぼちゃ」「とうきび」「安納紅芋」「紫さつま芋」に絞られました。
(時折、上記のカリフラワーや別のもので作ることもありますが)その「とうきび」「かぼちゃ」を提供してくれているのが齋藤農場さんなのです。かぼちゃについては沢山の種類があるのですが、「味平」という品種にこだわっています。 スープにするには、あまり粉質なもの(ホクホク系)は良くありません。味、調理のやりやすさのバランスが良いのが味平なのです。毎年9月頃からとうきび、10月頃にはかぼちゃを届けていただいています。
そして最近は、ポタージュスープについては楽しみにしてくださる常連のお客様が多いので、”なるべく長い期間提供すること”を優先しています。収穫時期が限られる野菜なので、採れたてをすぐに加工して、冷凍保存するようにしています。こうして多少時季外れであってもポタージュスープが「売り切れ」ということがないようにしています。
この他にも、新得町「共働学舎さんのラクレットチーズ」や、長野県「諏訪角商店さんのピッツァチーズ」、鹿児島県種子島 の「かごんま商店さんの安納紅芋」等々、こだわって使い続けている食材があります。
オープン当初には無かった食材が、お店を続けていくうちに少しずつ増えていきました。ご縁に感謝です。